レッスン74 【やすまつバッドスタッフ2】

どうもお久しぶりです。ウチノです。
僕がポケモン勢デビューした5世代環境もそろそろ終わりとなるわけですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
最近、5世代環境での結論PTというフレーズをよく耳にしますが
僕の中での5世代環境の結論PTはボルトランドクレセ鋼バンギ水の形のスタン
【やすまつグッドスタッフ】となりました。
ここでそれを紹介するのもいいと思いますが
今回はだいぶ煮詰まってきた5世代最後の環境に幅広く対応したKP最下位を狙ったPT
【やすまつバッドスタッフ2】について解説しようと思います。



・まずはじめに【バッドスタッフ】とは?
皆さんがよく耳にする【グッドスタッフ】というのはそもそもTCG用語であるグッドスタッフ
シナジーやコンボを考慮せず、単体で汎用性の高いカードを集めて作られたデッキあるいはカード群のこと。」から来ています。

バッドスタッフとはそれの反対で、これに当てはめるなら
シナジーやコンボを考慮せず、単体で汎用性の低いカードを集められて以下略」となります。
単純にマイナーパと取って頂いてもさほど問題はありません。
付けくわえさせて頂くなら、グッドスタッフが汎用性の高いポケモンを多く起用しているのに対しバッドスタッフはある特定の状況下でのみ活躍できるポケモンを集めたPTとして構築しました。



そのバッドスタッフの一番最初となったのがこちらの
http://d.hatena.ne.jp/yasumatu0714/20130523/1370067967
【やすまつバッドスタッフ1】です。
このPTはKPをかなり抑えつつも環境でしっかりと戦えるPTとして作られました。

今回のバッドスタッフはKPを抑えるというコンセプトのもと、今度は「オフで予選を抜けられるPT」を目標とし、1よりもさらに厳しく環境に対応させて構築しました。



【やすまつバッドスタッフ2feat.ウチノ】










このPTはやすまつ氏の
「避雷針+スカーフパルシェンでボルトランド完封じゃね?」というふとした思い付きがはじまりで
そこに避雷針の枠に猫持ちのライチュウ
軸となるパルシェンは上から多くのポケモンを縛れるようにスカーフ固定
そこから軸となる2匹で見れないところをひたすらカバーすることで
環境にいるPTたちを幅広く見ていくことにしました。


【個別解説】

パルシェン@拘りスカーフ

陽気 スキルリンク
実数値:126-147-200-94-65-134

つららばり、ロックブラスト、シェルブレード、だいばくはつor氷の礫

ライチュウと合わせ対ボルトランド用に起用
ASぶっぱ

陽気シェルブレか無邪気ハイドロポンプかは好みです。大爆発か氷の礫かも好み。


ライチュウ@電気のジュエル

陽気 ひらいしん
実数値:136-142-75-99-100-167

ボルテッカー猫騙し、瓦割り、フェイント

パルシェンの横の相方として避雷針で電気技を吸いこむために起用

・低耐久のポケモンで構成されたPTにおいて重要な
味方のポケモンの行動回数を増やす役割を持つねこだまし
パルシェンで縛ったポケモンに守ることを許さないフェイント
・ジュエル10万だとDに振ったニョロを落とせないのでジュエルボルテッカー
・物理技でパルシェンと相性の良い技を探したところ氷技を受けにきたバンギラスヒードランズルズキンにある程度打点の入るところに目をつけ瓦割り
瓦割りだと霊獣ボルト化身ボルトに加え、壁ライコウにも仕事を許さないのも大きなポイントです。

・Sはウルガモスに対して後手を取ってしまうとまずい立ち回りパターンが1つあったので最速
いじっぱりだとジュエル込みボルテッカーでH振りグロスを乱数2発なのでここは好みです。


チルタリス@ハバンのみ

おだやか ノーてんき
実数値:182-81-110-107-155-100

りゅうせいぐんだいもんじ、おいかぜ、ほえる

aszwさんことウォーター氏のブログの
http://d.hatena.ne.jp/water178/20111204/1323025523
の記事を読んで感動し対天候用に起用

耐久面は

【特殊面
 ハバン込みでC182ラティオスのジュエル流星群確2
 不一致冷ビはC163までは確2
 めざ氷は珠込みC166までは確2
 一致吹雪冷ビはかなり低くない限り確1よくて乱1

 物理面
 岩雪崩はA204の珠もちが最大乱数以外耐え
 A+2 A200珠テクバレで乱1 31%で落ちる

 Sは実数値100ということでニョロトノバンギラス相手にそれなりに判別できる。】
とのこと。

あの方は神か。

吠えるは気持ち程度の対トリル+害悪用。
たまに横のつららばりで相手を葬り終わったパルシェンにうちます。


グライオン@飛行のジュエル

陽気 かいりきバサミ
実数値:151-147-145-58-95-161

じしん、アクロバット、スカイアッパー、まもる

味方の相性を考え
電気無効で、格闘半減で、浮いてて、格闘を一撃で葬れて
バンギグロスに打点があり、物理耐久のあるバンドリ耐性のつくポケモンとして起用

一番最初はこの枠はムクホークでしたが
耐久に不安がありすぎるのとタイプ相性的に見たいところが見れていないのを
威嚇で無理矢理ごまかしている感があったのでグライオンに変更しました。
かいりきバサミによる威嚇無効は飛行抜群をほぼ一撃で落とすことができたのでかなり好感触でした。
しかし実際に回しているとパルシェンがひっこむような状況ではかなりの頻度で
相手の場にクレセリアがいたため動かしにくかったのと
浮いてるポケモンが少なすぎて地震がかなり打ちづらかったので改良するとしたらこの枠が変わることになりそうです。
一応候補としては
http://d.hatena.ne.jp/water178/20120703/1341267429
の記事で紹介してあるマタドガス
タイプや種族値、鬼火などの技から似たような役割を持っているのと
aszwさんからおすすめされた負けん気ウォーグル辺りがなかなか良いなと思いました。

Sはランドに抜かれたくないのでぶっぱ


ヘラクロス@虫のジュエル

陽気 じしんかじょう
実数値:156-177-95-54-115-150

メガホーンインファイトストーンエッジ、まもる

ASぶっぱ

このPTの隠れエース
格闘枠を考えていたときにクレセの処理がかなり難しいのと格闘が一貫しがちになっていることに気付き
クレセの処理ができて、格闘が一貫しない格闘枠として思い付いたので起用

ヘラクロスより上の龍や霊獣、ウルガモスパルシェンが大体縛ってくれるので横の相性もよし。
バンギや鋼に打点があり、一度じしんかじょうが発動すれば等倍すらゴリゴリ削っていくのでかなり強かったです。
なによりかっこいいから大好きです。

性格は実際に使ったやすまつ氏が
意地っ張りだったから負けた場面があったらしいので陽気推奨です。


ブルンゲル@オボンのみ

臆病 ちょすい
実数値:207-72-90-105-126-123

ねっとう、シャドーボール、こごえるかぜ、ちょうはつ

HSぶっぱ

普段あまり見ない型ですが
その採用に至るまでの経緯と理由を解説します。

このPTの他の5匹は実はわりとトントン拍子で決まって行き
オフの前週まではずっとこの枠だけを考えていました。
その理由が【対トリパ】にありました。

トリパとひとまとめに言っても種類は多く
・コンボを組みこみ、そのコンボを遂行しやすくするためにトリックルームを採用したトリパ
・鈍足高火力でどんどん殴っていく純トリパ
・噴火(または潮吹き)の高火力範囲技でごり押しまくって一掃するトリパ
・上記のなんらかのギミックを雨や高速PTに組みこみスイッチするスイッチトリパ
などがあります。
   



グッドスタッフ系のPTではこれらのPTを高耐久のポケモン
トリックルームを妨害できる技を持つポケモンで無理なく対策しているのですが
バッドスタッフでは、トリパ以外のPTに精一杯でそこまで手は回らないので対策は難しくどうしても1枠でトリパを見るしかありませんでした。

そこで対トリパ対策として、まず簡単な対策として「トリル返し」が候補に挙がったので。
これほど簡単なトリル対策は無いと思いトリル返しができてPTと相性補完の良いポケモンを探すことにしました。


まず最初に着目したのがドータクン
トリル返しができて、浮けて、龍も受けられ、バンギと格闘への打点もあり、PT的にかなり薄めの氷耐性あり、めざ炎で鋼も見れる点から試してみましたが
・噴火、潮吹きに耐性がない
・Sが遅すぎて行動回数が少ない
・行動回数が少ないのに火力がなさすぎる
・他とタイプ相性以外なにも噛み合っていない
・ブルンが絶対に止まらない。

以上の点からドータクンは不採用にしました。


次に着目したのがヤドキング
トリル返しは言わずもがな、噴火に加え潮吹きの耐性があり、ドータクンと比べ火力はかなり上がり、氷耐性、格闘も受けられる。
しかし試したところ
やはりSが遅すぎて行動回数が少ないのと
打点はあれどトリパのバンギがやや重くなってしまったので没となりました。


その次がブルンゲル
ヤドキングとあんま変わらないけどとりあえず試してみました。

実際に使ってみると、やはりヤドキングと同じで
ここで「威嚇0のパーティーでは水技を持っていたとしてもBが高くないとバンギはきつい」ということに気付き
トリル下ではないブルンゲルヤドキングでは行動回数に限りがあり
「バンギに打点がある」ではなくその逆「バンギに打点を持たれている」ということに気付きヤドキングとあまり変わらないどころか炎技もなかったので没になりました。


さらにその次がポリゴン2
トリル返しは言わずもがな今回は電磁波やこごかぜなどで味方へのサポートもできるようになりました。
しかしS操作技3つはさすがにやりすぎで、氷耐性もないうえ格闘がかなり重くなってしまったので没。


トリル返しではどうも後手に回りぎみで何かを犠牲にしてやっとトリルから抜けられるイメージなので、次はトリル返しで後手に回るのではなく封印を使って先手でトリパを見ることにしました。

そこで思いついたのがユクシー
クレセと同じタイプ相性、似た種族値を持ち、十分な耐久、そしてクレセが打てない封印
普段優柔不断な私も思わず「これはついに決まった」と確信しました。

しかし実際に回してみると封印トリルまではいいのですが技枠を2枠も消費したせいか次のターンからは
マジで 何も やることが ない

結果、1ターン1ターンがかなり貴重な低種族値パに置いて やることがない のは致命的なのでトリル封印ごと没となりました。


トリル返しも駄目、封印も駄目、もう拘りトリックか挑発しか残っていません。

拘りトリックは決まればトリル後の強い展開をされにくくなりますが
トリルを決めてしまうことになんら変わりはないのでバッドスタッフ的にはバッド

そこでメンハの可能性から一番信頼度が低く遠まわしにしていた挑発を試してみることにしました。


挑発が打てて、噴火潮吹き耐性があり、格闘が重くならず、バンギに重くならず、氷耐性のあるポケモン
1枠に無理矢理全部押しつけているのか、だんだん要求が無茶になってきました。

そうして辿りついたのはまたもやブルンゲル

よくよく見てみるとSの種族値は60
覚える技にS操作であるこごえる風
そして一番重要な挑発

良さそうな点を書いてみると


・噴火潮吹き耐性あり
・S操作可能
・挑発持ち
・十分な耐久
・最速ならこご風1回でスカーフバンギマイナス1
・重めだったクレセに一応打点あり
・見れていなかったバンギラスもトリル返しをする必要がなくなったため、ブルンと同時に横が動けるようになりこご風によるサポートでもバンギラスだけではなく多くのポケモンをアタッカーで見れるようになった。
・氷耐性はもちろんあり
・格闘も透かせる
・ここで初めて気付いたが避雷針ライチュウとも相性○

もうこれ以上ポケモンがいるのかというほどのフィット感で最後の1枠が決まった瞬間でした。
実際に使用してみてもSを上げたことにより使いやすさはかなり上がったので臆病最速ブルンゲルで間違いないと思います。

こうしてやすまつバッドスタッフ2が完成しました。


そして実際にやすまつ氏が京大カップ
http://kyotounivpoke.blog91.fc2.com/blog-entry-137.html
で使用し、見事予選をKP最下位で抜けることができました。


yasumatu0714 やすまつ @yasumatu0714
京大カップ予選抜けました(^o^) 使用パーティはやすまつバッドスタッフver.2です!























そして福島オフではクロるぼ氏が使用し
あのゆういちさんに勝利


ゆういち ‏@Yuuichi_u1 9月23日
@blackrubo おつかれさまでした!とても楽しかったです!
唯一の心残りはバットスタッフに敗れたことですww
今度リベンジしますw



調整段階での
POでの最高レートは1231
ダブルレーティングでの最高レートは1478

5世代環境終盤の今の環境だからこそ刺さる構築なので
もうこれ以上は意味はないと思い今回全て公開させていただきました。
さらに、多くの人に知ってもらうためこちらでも紹介させていただきました。
やすまつ氏による立ち回り等解説です→http://d.hatena.ne.jp/yasumatu0714/20131011/1381509531
Rの憂鬱で紹介されました。→http://d.hatena.ne.jp/R_justice/20131025/1382710035


このPTにはバッドスタッフだけに限ったことではなく
全てのPTに共通する、構築を考える際に必要なことが全て詰まっています。
普段あまり見ないポケモンだからといって思考するのを放棄するのではなく
必要な理由があるから考察する。これがかなり重要だと思います。


こんな長い記事をここまで見てくださった皆さん
最後までありがとうございました。これにて5世代環境の僕の記事はこれで終わりになります。
みなさんお疲れさまでした。